点取りの技術、解答先見法を紹介しましょう。

【ポイント】

問題をとく前に答を先に見ておく。(暗記系の学習に向くが、数学などでも活用できる)

説明をするまでもなく、そのままですね。問題をとく前に答を見て覚えてテストをしてみるという単純作業です。暗記系の学習(例:漢字、英単語、英文、理科や社会の重要語句)に向きますが、工夫次第では数学や理科、国語・英語の長文読解などの論理的思考が要求される学習にも活用できます。

今回は、もっとも簡単に利用できる漢字暗記を紹介します。

そもそも、なぜ解答を先に見る必要があるのかということですが、これは私の指導経験によります。

一般に勉強が苦手、暗記が苦手といわれている人は、なぜか間違いを覚えやすい傾向にあります。正しいものを覚えるのではなく偽物を覚えるのです。

例:「成績」と「成積」????あれ???どっちが正解…「成績」です。でも、なぜか「成積」の方を覚えてしまいます。指導しているとわざと偽物を選んで覚えているのでは?と思えるくらい騙されやすいです。そして、それが混乱の原因となって勉強がわからんという状態になっているのではと私は分析しています。(なんの根拠もなかです。指導していてそう思えるということです。)

さらに、一番最初に間違い(偽物)を覚えると、あとから修正するのにとても苦労します。不可能な場合もあります。漢字ならまだしも、数学や理科などの複雑な公式や定理、論理的な思考を要する問題の解き方などにいたってはまず不可能です。(丸暗記か完全放棄のどちらかを選択します。)

だから、最初に本物を正確に覚える習慣が大切になります。

《手順》

  1. 解答(模範解答)を見ながら、写す。
  2. 問題(テスト)を解く。
  3. 答え合わせをする。

1.解答(模範解答)を見ながら、写す

写す回数が問題ではなく、脳みそにきちんと整理されて納まるように写すことが重要です。何十回も書いてまったく覚えていない人がいます。よく見ると最初に写した漢字と最後に書き取った漢字が違っていたりします。点が少なかったり、棒が多かったりです。

文字そのものがふにゃふにゃで記号化している子の場合は、一文字ひと文字をていねいに書き写してもらいます。しかし、学力が落ちている人の中にはものすごいくせ字が合って、それが学習障害になっているのではと私の経験から感じています。例えば、英語でよくあるのがnとhとrとv、aとoなどがほとんど区別できない状態でスペリングしているとかです。

ていねいに写しとることが大切です。目を閉じても、その漢字がイメージできることが大切です。結果的に、覚えていることになります。大脳にインプットした状態です。

2.問題(テスト)を解く

覚えただけ。テストをしないという人は、まぁ、点はとれませんね。インプットしたら必ずアウトプットします。つまり、確認テストをします。 本当に覚えているかをはっきりさせます。 勉強が苦手な人は極端にこの作業を嫌がります。とにかく漢字は書いておしまい!にしたいらしく、放っておくと自主的にテストは絶対しません。

だから、最初に「テスト付きやけん。」と宣言しておきます。

3.答え合わせをする

実は、この作業が一番重要です。

なぜなら、問題を解いて、答え合わせをしなければ、正しいか間違えているかわからないからです。同じ意味で、答え合わせは正確にしなければなりません。いい加減な答えあわせは間違いをそのまま覚えてしまう危険性だけでなく、暗記そのものをいい加減に記憶する大脳の習慣化につながるからです。

暗記が苦手な人(私も)は、きちんと記憶する習慣がない人です。たとえると、整理整頓が苦手な人(私も)に似ています。物を整理できないので必要なとき必要なものがすぐに出てこない状態に陥ってしまいます。

大脳を整理ダンスと思ってください。引き出しにそれぞれくつ下、ハンカチ、下着類などきちんと整理してしまっておけば、簡単に取り出せます。しかし、ごちゃごちゃに、バラバラにしまっていれば、探すのに一苦労するでしょう。大脳の記憶にとっても似ています。(私の経験に基づく考えです。)

だから、答え合わせは模範解答と付きあわせて正確にチェックする必要があります。 以上、解答先見法を紹介しました。