全員が第一志望校へ合格できるわけではないとわかっていても、今年こそはと期待してしまう。

私がどれだけ合格の手順を指導しても、最後は塾生の一挙手一投足に委(ゆだ)ねられているので、本番までどうなるかまったくわかりません。

毎年いろいろありますが、今年も、みんなよくがんばってくれたと思います。ほぼ毎日塾通いができる塾生もいれば、事情により週に1回か2回程度の塾生もいます。

何回または何時間塾にくれば合格できるかという法則みたいなものはありません。

しかし、何をどうすれば、合格の可能性を高められるかは明確です。

【合格の手順を知る】

  1. 得意分野を徹底的に鍛え、得点できる 
  2. サンドイッチ学習 
  3. 偏差値に頼らない 
  4. 教科書を音読
  5. 怪しいところはしつこく質問
  6. 最後の英語まであきらめない

1.得意分野を徹底的に鍛え、得点できる

「勉強=苦手教科の克服」と決めつけて、苦手教科ばかりを学習し、どんどん自信をなくす人がいます。そうなる前に、よく考えてみませんか。もちろん、楽しく、または強い使命感をもって苦手教科を学習できるならそれに越したことはありませんね。しかし、ほとんどの人は挫折していることでしょう。

私の提案は、「得意分野を徹底的に鍛え、得点できる」です。なぜなのか。得意教科といいながら90点はおろか80点にも満たない人が意外と多いことに気づいたからです。

得意教科ならたっぷり勉強できるはずです。使命感みたいなものも湧きやすいでしょう。90点を必ず超えるぞというのは強い動機づけになるはずです。

まず、得意教科で90点を超える学習方法を身につけてください。

2.サンドイッチ学習 

1.で得意教科をがんばってみて、ちょっと余裕がでてきたら、今度は最難関の苦手教科に挑戦してみます。そのときでも、いきなり苦手教科ばかりを勉強はしません。

得意教科を活用します。つまり、「得意教科」→「苦手教科」または「得意教科」→「苦手教科」→「得意教科」みたいな順番に学習を進めます。ちょうど、苦手教科を得意教科で挟む、サンドイッチのようなイメージです。

得意教科を学習することで気分を高め、学習のリズムをつくります。苦手教科では、その気分を大切に学習を進めます。ポイントは学習時間の配分です。得意教科は多めに、苦手教科は少なめでいきます。

もし、まったく学習の習慣ができていないひとは、得意教科20分間、苦手教科10分間でもいいでしょう。理想的には、受験生ならそれぞれ数時間(2〜3時間)が必要です。

3.偏差値に頼らない 

偏差値は、受験者の母集団の性質に影響される値です。つまり、レベルが高い人たちが多数受験していると偏差値は低めに出るし、高い人や低い人がはっきり分かれている時にはちょっとした得点の変化が偏差値を大きく変化させます。

偏差値はテストの平均点をもとに計算され。平均点の偏差値は約50となります。偏差値50を超えるとその集団の中で平均より上にいるという意味です。

偏差値を語るためにはその集団でどのようなレベルの人たちが受験しているのかが重要になります。数百人程度の集団で偏差値を出してもあまりあてにはなりません。

というか、テストの点数自体に一喜一憂することがあまり意味がありません。なぜなら、本番の点数がよければ絶対合格するからです。受験の場合、終わりよければ全て良しです。

テストの点数や偏差値よりも重要なことは、テストのやり直しをきちんと最後までして、同じミスを繰り返さないように工夫することです。それが、テストの目的です。

4.教科書を音読

何を勉強したらいいのかよくわからないとかどんな問題集がいいのかわらないといって何種類も問題集や参考書をそろえてはそれで勉強した気になって満足している人がいますが。結論から言うと、教科書をきちんと理解できればOKです。つまり、教科書を読む、音読するのが一番です。

理解できたかどうかは、学校や塾で配布されているプリント類や問題集(ワーク)などをつかえばいいです。もちろん、ノートに写してある例題を解くことも効果があります。

まちがっても、友達がいいといったから自分も同じ問題集を買ったなんてことのないように。(問題集・参考書の選び方は別の機会に)

5.怪しいところはしつこく質問

たまたま正解した問題など運良く答えが当たった問題も含め、あいまいで怪しい内容は徹底的に質問します。

テストのやり直しをするように言うと、面倒臭がって、×のところだけをやり直す人がいます。それでも、やらないよりマシです。

しかし、実際には、○でも意味があまりわからない怪しいところはやり直しておきます。

やり直しの基本は、わからないところがテストに必ず出る。

6.最後の英語まであきらめない

実際は、これが一番難しい。入試は国・数・社・理・英の順に実施されます。そうですね。英語が一番最後です。英語の終了のチャイムが鳴るまで、絶対、あきらめてはいけません。

しかし、最後まであきらめないということが大変難しいのです。第一の難関が11月ごろ、2回目の到達度の結果が出ると、だいたい合否の目安がついたと勘違いして気を抜いたり、あきらめたりする人が出てきます。第二の難関が冬休み、志望校も決まり成績の伸びもとまりすべてが決まったかのような錯覚に陥る時です。第3の難関が2月初め、私立が確定し、専願や公立推薦に合格した人たちはもう受験生活は終了します。

公立の一般入試は、それより1ヶ月もあとにあります。「周りの友だちは受験が終わり楽しそうにしているのに自分だけ勉強しなければならないのは不公平だ。」とう思いに陥ると突然やる気を無くし、何も手につかない状態になります。今まではあきらめずに挑戦していた問題も簡単にあきらめてほとんど空欄だらけに、当然、点は取れません。(こうなると、再起は難しくなります。)

あきらめないで辛抱強く勉強するには、本当に第一志望校に合格したいという強い目的意識が要求されます。

最終的に、受験は、”自分との勝負”ということです。