IMGA0477.resized「先生。B君も答えだけ写させていいんですか。」

B君は宿題プリント(5教科)をすべて答えのみ写していました。

講師は真面目な方なので、1回指示をだすと、全てに適応しようとされます。

この場合は、A君に対して「答えを丸写しさせていいです。」と言ったことを

B君にも適応させるべきかどうかで悩んでいらっしゃいます。

講師歴十数年ですが、迷いますね。

私は、

「ダメでしょう。」

と答えました。

B君は、きちんと問題を処理できるレベルにあります。もちろん、教科によっては答えを丸写ししていい部分も

あります。例えば、数学の大問4,5,6などの最後の小問部分などです。これらは解けなくても合否に全く影響がありません。

なぜなら、福岡県の正答率が10〜30%程度だからです。

B君の受験校の合否には影響しません。

しかし、全教科丸写しはありえないです。

私は、余っていた宿題プリントをB君に渡し、再度、解いてもらいました。

ちゃんと、ある程度は解けます。

私が丸写しさせているのは、一人では解くことができないからです。

「じゃ、お前が教えてやれ」と言われそうですが、

教えすぎると、勉強が他人ごとになり、依存心しか育ちません。

だから、一人でもなんとか勉強らしいことができる方法を丸写しという形式で伝えているのです。

(志義の学習システムの1つ。おそらくこんな指導をしている塾は日本にはないはずです。

ましてや、塾生に答えまで最初から配布しているなんて、そんな塾はほぼ皆無です。)

この方法は、諸刃の剣です。

生徒の中には自分はばかにされていると思ったり、不正はいけないと思うのか、

かたくなに答えを写そうとはせず、1時間がんばってほとんど空白のままの状態で答え合わせをし、

赤で正解を写して安心している人もいます。

私は、結果的に答えを丸写しするなら、最初から写して覚えて、再確認したほうがぜったい点が取れると

確信しています。

しかし、なかなかそれを受け入れてもらうのは難しいです。

特に、親には懇談の時に伝えていても、実際、答えを丸写しているわが子を目の前にすると

不安になってしまいます。

どこまで私が信頼されているかです。信頼されていなければ、彼らが塾を去っていくだけです。

さて、B君が答えを丸写しした理由は、本人曰く、「時間がなかった」からです。

まぁ。ごくありふれた理由です。

こんな、へなちょこ理由にいちいち付き合っていたら、人生が終わっても勉強なんかしないでしょう。

つまり、偽物はいつまでたっても偽物のままです。